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そっとねっとコラム2026.8.11

訪問介護(ホームヘルプ)とは?できること・できないこと、費用の目安をやさしく解説

結論、訪問介護は「身体介護」「生活援助」「通院等乗降介助」の3本柱で、費用は1割負担なら1回あたり数百円〜千円台が目安です。同居家族がいると生活援助が使えないという制度の壁、掃除・調理でできること/できないことまで、厚生労働省の公式情報をもとにやさしく解説します。

介護そっとねっと編集部12分で読める
訪問介護(ホームヘルプ)とは?できること・できないこと、費用の目安をやさしく解説

「デイサービスには行きたがらないけれど、家の中のことは正直、手が回っていない」 「離れて暮らす親の家に、誰かちょっとでも顔を出してくれたら安心なのに」 「同居しているのに、ヘルパーさんに掃除をお願いしていいのか分からない」

——介護そっとねっとのアプリには、こうした「通いのサービスより先に、まず家の中を手伝ってほしい」という声が数多く寄せられます。日中の見守りと生活のハリを支えるのがデイサービスなら、暮らしている場所そのものを支えるのが訪問介護(ホームヘルプ)です。

この記事では、訪問介護で受けられるサービスの内容、費用の目安、利用の始め方までを、厚生労働省の公式情報にもとづいてやさしく整理します。

この記事でわかること

  • 訪問介護の3本柱(身体介護・生活援助・通院等乗降介助)の違い
  • 1回あたりの費用の目安
  • 掃除や調理で「できること」「できないこと」の具体例
  • 同居家族がいる場合に知っておきたい注意点
  • 利用を始めるまでの流れ

ただし、実際に利用を検討し始めた家庭の多くが最初につまずくのは、サービス内容そのものよりも、「同居している家族がいると使えないサービスがある」という制度上のルールです。この壁との向き合い方は、記事の後半でくわしくお伝えします。


訪問介護とはどんなサービス?

訪問介護(ホームヘルプ)とは、訪問介護員(ホームヘルパー)が利用者の自宅を訪問し、日常生活の支援を行う介護保険サービスです。内容は大きく「身体介護」「生活援助」「通院等乗降介助」の3つに分けられます。

要介護1〜5と認定された方が対象で、ケアマネジャーが作成するケアプランに位置づけたうえで利用します(要介護認定の基本的な流れは、親の介護が始まったら──はじめての介護保険、申請から費用までやさしく解説で解説しています)。要支援1・2の方は、介護保険の訪問介護ではなく、市区町村が実施する「介護予防・日常生活支援総合事業」の訪問型サービスが受け皿になります。

身体介護

利用者の体に直接触れて行う介助です。

内容具体例
食事介助スプーンでの食事の介助、とろみ調整など
排せつ介助トイレ誘導、おむつ交換
入浴介助洗身・洗髪、浴槽への出入りの介助
着替え・整容衣服の着脱、洗面、整髪
体位変換・移乗ベッドと車椅子の間の移動、寝返りの介助
通院等乗降介助通院時の車への乗り降り、受診手続きの介助(訪問介護員が運転する場合)

生活援助

利用者本人の日常生活を支えるための家事支援です。「本人以外の家族のための家事」や「日常生活に最低限必要な範囲を超える家事」は対象外という制約があります(詳しくは後述)。

内容具体例
掃除利用者が使う居室、トイレなどの掃除・整頓
洗濯洗濯、干す・取り込む、収納
調理一般的な調理、配膳、後片付け
買い物日常品の買い物、薬の受け取り
ベッドメイキングシーツ交換など

厚生労働省の通知では、生活援助は「利用者が単身、または家族が障害・疾病などのため、本人や家族が家事を行うことが困難な場合に行われるもの」と定義されています(訪問介護サービスの生活援助の取扱いについて/厚生労働省)。この「困難な場合」という条件が、後述する同居家族の壁につながります。

訪問介護の3本柱(身体介護・生活援助・通院等乗降介助)と、それぞれの主な内容を示すハブ&スポーク図。中心の「訪問介護」から3方向に枝分かれし、それぞれの代表的なサービス内容が並ぶ。


費用はどれくらいかかるの?

訪問介護の費用は、サービスの種類と時間によって決まる「単位数」に、地域ごとの単価(1単位おおむね10〜11円台)をかけて計算されます。1割負担の場合、1回あたり数百円〜千円台が目安です。

たとえば身体介護であれば、時間が長くなるほど単位数(=費用)が上がる仕組みで、20分ほどの短時間の介助から、1時間を超える介助まで幅があります。生活援助は身体介護よりも単位数が低く設定されており、掃除・調理を30〜45分程度お願いする場合で、1割負担なら数百円程度が目安です。身体介護に引き続いて生活援助を行う「身体介護に引き続き行う生活援助」という組み合わせ方もあります。

正確な単位数は2024年度介護報酬改定にもとづき地域区分・事業所の加算状況によって変わるため、契約前に事業所からサービス提供時間ごとの料金表をもらって確認するのが確実です。

また、訪問介護の利用料は、要介護度ごとに定められた区分支給限度基準額(1ヶ月に利用できる介護保険サービスの上限額)の枠内でやりくりします。デイサービスや福祉用具レンタルなど他のサービスと合算して管理する点は、デイサービスとは?費用の目安・1日の流れ・選び方福祉用具はレンタルと購入どちらがいい?で紹介した考え方と共通です。区分支給限度基準額の要介護度別の目安は、親の介護が始まったらにまとめています。


同居家族がいると生活援助は使えない?知っておきたい制度の壁

原則として、同居家族がいる場合、生活援助(掃除・洗濯・調理などの家事支援)は介護保険の対象になりません。ただし、家族が病気や仕事などのやむを得ない事情で家事ができない場合は、例外的に利用が認められます。

ここが、多くのご家庭が最初につまずくポイントです。「息子と同居しているから、ヘルパーさんに家事は頼めないと言われた」「日中は一人で仕事に出ているのに、なぜダメなのか」——こうした戸惑いの声は、介護そっとねっとのアプリにもたびたび寄せられます。

制度上、生活援助はあくまで「本人が自分でできないことを代行する」サービスであり、同居家族がいれば家事を分担できるという考え方が前提になっています。しかし、市区町村の運用指針では、次のような事情があれば「やむを得ない場合」として認められる余地があります。

  • 同居家族が障害・疾病などにより家事を行うことが困難
  • 同居家族が仕事などで日中不在にしており、本人の状態を放置すると心身に悪影響が及ぶおそれがある
  • 同居家族との関係が著しく困難で、支援が避けられない事情がある

一方、「家族の仲があまり良くない」「家事をした経験がない」「他の家族が忙しそうで頼みにくい」といった理由だけでは、原則として対象になりません。判断はケアマネジャーが利用者の状況をアセスメントしたうえで、ケアプランに位置づけて行われます。「うちの場合はどうなのか」を自己判断せず、まずは担当のケアマネジャーに実際の生活状況を伝えて相談してみてください。


訪問介護でできないこと

訪問介護の生活援助は、あくまで利用者本人の日常生活に必要な範囲に限られます。家族のための家事や、日常的に行わない特別な家事は対象外です。

厚生労働省の通知(平成12年老計第10号)では、次のような行為は生活援助に含まれないと明記されています。

分類できないことの例
本人以外のための家事家族の食事作り、来客の応対、利用者以外の部屋の掃除、家族の洗濯
日常生活に支障が生じない行為庭の草むしり、花木の水やり、ペットの散歩・世話
日常的に行わない家事大掃除、家具・家電の修理や模様替え、ペンキ塗り、正月・節句のための特別な調理
保険給付の対象外の行為商品の販売、農作業などの生業の手伝い

これらは「ヘルパーが冷たい」わけではなく、介護保険が公的な保険料と税金で運営されている以上、給付の範囲を利用者本人の生活維持に限定するというルールに基づいています。範囲外のことを依頼したい場合は、市区町村の生活支援サービスや、保険外の自費サービス(利用者と事業者の契約に基づく自由なサービス)を組み合わせる方法もあります。「これはお願いできるだろうか」と迷ったときは、依頼する前にケアマネジャーやサービス提供責任者に確認する習慣をつけておくと、当日のトラブルを避けられます。


デイサービスとの違い・使い分け

デイサービスが「日中、施設に通って過ごす」サービスであるのに対し、訪問介護は「暮らしている自宅に来てもらう」サービスです。目的や本人の状態によって使い分け、併用することもできます。

観点訪問介護デイサービス
場所自宅施設に通う
主な目的個別の身体介護・生活援助入浴・食事・レクリエーション・機能訓練、社会的な交流
介護者の負担軽減ヘルパーが来る間、外出や休息が可能日中まとまった時間、介護から離れられる
向いているケース環境の変化を嫌う方、外出が難しい方、家事支援が中心のニーズ日中の見守りや他者との交流を増やしたい方

「本人が外出や人との交流を嫌がるので、まず訪問介護で生活を支えながら、慣れてきたら少しずつデイサービスも試す」という組み合わせ方をされるご家庭も少なくありません。デイサービスの費用や1日の流れ、見学のポイントについてはデイサービスとは?費用の目安・1日の流れ・選び方、親が行きたがらないときの対応まで解説で詳しく解説しています。どちらか一方だけで判断せず、本人の状態や希望に合わせてケアマネジャーと一緒に組み合わせを考えるのがおすすめです。


利用を始めるまでの流れ

訪問介護は、要介護認定を受けたあと、ケアマネジャーが作成するケアプランに位置づけて利用を開始します。

  1. 要介護認定を受ける(またはすでに認定済みであることを確認する)
  2. ケアマネジャーに相談する:現在の生活状況や困りごとを具体的に伝える
  3. ケアプランに訪問介護を組み込む:サービス内容・頻度・時間帯を決める
  4. 事業所と契約する:重要事項説明書・料金表の説明を受け、サービス提供責任者と初回の顔合わせを行う
  5. サービス開始:初回は本人の生活動線やこだわりを確認しながら進むことが多い

ケアマネジャーが決まっていない、または今の担当者に相談しづらいと感じている場合は、ケアマネジャーの選び方と変更方法も参考にしてください。ケアマネジャーには、家族側の「本当は誰にも言いにくい困りごと」も遠慮なく相談していい相手です。


まとめ

この記事で持ち帰れることは次の3つです。

  • 訪問介護は「身体介護」「生活援助」「通院等乗降介助」の3本柱で、費用は1割負担なら1回あたり数百円〜千円台が目安
  • 同居家族がいると生活援助は原則対象外だが、やむを得ない事情があれば例外的に利用できる
  • 「できないこと」は家族のための家事や特別な家事に限られ、本人の生活を支える範囲は幅広くカバーされる

冒頭でお伝えした「同居家族がいると使えないかもしれない」という壁は、実際には個別の事情を伝えれば道が開けることも多い制度です。まずは、今の暮らしの中で「誰が」「何に」困っているのかを、簡単なメモでいいので書き出してみてください。それを持ってケアマネジャーに相談するだけで、使えるサービスの選択肢がぐっと広がります。

介護保険の申請やケアマネジャーとのやり取りに不安がある方は、まず地域包括支援センターに相談されることをおすすめします。介護保険の申請支援からサービスの利用調整まで、幅広くサポートしてくれます。


出典・参考情報

※単位数・料金は2024年度介護報酬改定時点の目安です。地域区分や事業所の加算状況によって異なるため、実際の金額は契約前に事業所へご確認ください。

本記事の編集方針・訂正ポリシーは 編集方針ページ をご覧ください。

よくある質問

訪問介護はホームヘルパーが身体介護・生活援助を行うサービスで、訪問看護は看護師が医師の指示のもと健康観察や医療処置、リハビリを行うサービスです。役割が異なるため、状態によっては両方をケアプランに組み込んで併用することもあります。

介護保険の「訪問介護」を利用できるのは要介護1〜5の方で、要支援1・2の方は対象外です。要支援の方は、市区町村が実施する介護予防・日常生活支援総合事業の訪問型サービスが受け皿になります。まずは地域包括支援センターに相談してみてください。

原則として、同居家族がいる場合の生活援助は介護保険の対象外です。ただし同居家族が仕事や病気などのやむを得ない事情で家事ができない場合は、例外的に認められることがあります。自己判断せず、実際の生活状況をケアマネジャーに伝えて相談しましょう。

頼めません。生活援助は利用者本人の日常生活に必要な範囲に限られ、庭の手入れや花木の水やり、家族のための家事、来客対応などは厚生労働省の通知で対象外と明記されています。範囲外の家事は市区町村の生活支援サービスや自費サービスの利用を検討しましょう。

自宅で個別の介助や家事支援を受けたいなら訪問介護、日中の見守りや入浴・交流を重視するならデイサービスが向いています。環境の変化を嫌う方はまず訪問介護から始め、慣れてきたらデイサービスを試すという組み合わせ方もあります。両方を併用することも可能です。

要介護認定を受けたうえで、担当のケアマネジャーに生活の困りごとを具体的に伝え、ケアプランに訪問介護を位置づけてもらいます。ケアマネジャーが決まっていない場合は、まず地域包括支援センターに相談するところから始めましょう。

ご利用にあたっての免責事項

本記事は一般的な情報提供を目的として介護そっとねっと編集部が作成したものです。介護保険や医療・心理に関わる個別のご判断については、 お住まいの市区町村の地域包括支援センター、主治医、担当ケアマネジャー、または厚生労働省の公式情報をご確認ください。記事は2026.8.11時点の情報に基づきます。

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